カウンセリング記録の残し方 — 守秘義務とクラウドの境界線
結論: 記録の残し方は「音声がどこへ行くか」で決まる
カウンセリングや面談の記録で最初に確認すべきは、記録ツールが音声・テキストをどこで処理するかです。整理すると3類型になります。
| 類型 | 音声の行き先 | 守秘義務のある面談での扱い |
|---|---|---|
| 手書き・手打ちメモ | どこにも行かない | 安全だが記憶頼み・時間がかかる |
| クラウド文字起こし | 外部サーバー(保存・場合により学習利用) | 明示同意+規約確認が必須。無料プランは特に注意 |
| 端末内(オンデバイス)処理 | 端末から出ない | 音声流出の経路が構造的に存在しない |
クラウドに上げる前のチェックリスト
- クライアントの明示同意はあるか(録音自体と、外部サービス利用の両方)
- サービスの利用規約・プライバシーポリシーで、音声・テキストの保存期間と学習利用の有無を確認したか(無料プランは学習利用ありの場合が多い)
- 所属団体の倫理綱領・ガイドライン(公認心理師法の秘密保持義務、各協会の倫理規程など)に照らして問題ないか
- 情報漏えい時に説明責任を果たせるか(どこの国のサーバーか、暗号化はどうか)
この4点をクライアントごとに毎回クリアするのは現実的に重く、多くの専門職が「録音はするが文字起こしは手作業」に留まる理由になっています。
録音同意の取り方(実務)
- 目的を限定して伝える: 「記録の正確性と、私自身の振り返りのためです」
- 保存と削除を約束する: 保存場所(端末内なら端末内と明言)・保存期間・求めがあれば削除すること
- 断れることを保証する: 録音を断っても不利益がないことを明言
- 形に残す: 同意書1枚、またはメール1本。初回契約書に録音条項を入れるのが最も楽
端末内処理という選択肢
近年のiPhoneは、文字起こし・話者分離・AIによる要約まで端末内で処理できる性能があります。ARIAはこの方式のアプリで、音声も文字起こしテキストも端末から送信されません。クラウド利用の同意説明が「録音は端末内にのみ保存されます」の一文で済むため、同意取得の負担も下がります。逐語録の下書き生成にも対応しています。
注: 本記事は一般的な実務情報であり、法的助言ではありません。個別の判断は所属団体の規程・専門家にご確認ください。
ARIA — 音声を外に出さない相談記録・逐語録アプリ。App Storeで見る