逐語録の作り方 完全ガイド — 形式・手順・時間短縮まで
逐語録とは
逐語録とは、会話を「えー」「あの」という言い淀みや沈黙まで含めて、一言一句そのまま文字に起こした記録です。発言を要約・整形しない点で議事録とは根本的に異なります。用途は主に3つ:
- キャリアコンサルタント実技試験の対策 — ロールプレイの振り返りに逐語録作成が事実上の標準
- 心理カウンセリングのスーパービジョン — 応答の癖や介入のタイミングを指導者と検討する材料
- 面談・相談の正確な記録 — 「言った・言わない」を残さない一次記録
基本形式(CC/CL形式)
キャリアコンサルタント領域では、話者を CC(キャリアコンサルタント)/ CL(クライアント)と表記し、発言ごとに通し番号を付けます。
CL1:えー、実は今の仕事を続けるかどうか、迷っていて……。 CC1:続けるかどうか、迷っていらっしゃるんですね。 CL2:はい。あの、上司が変わってから、その、評価が……。
- 言い淀み(えー、あの)・言い直し・沈黙(……)は削らずそのまま残す
- 相槌(はい、ええ)も応答分析の材料になるため省略しない
- 形式の細部は試験実施団体・養成講座の最新の手引きに従ってください
作成手順(5ステップ)
- 録音する — 面談・ロールプレイを録音(実際の面談では必ず事前に相手の同意を取る。録音同意の実務参照)
- 下書きを作る — 手書き起こし(1時間の録音に4〜6時間)か、文字起こしツールで下書き生成
- 聞き直して直す — 音声を聞きながらフィラー・言い直しを復元し、誤変換を修正
- 話者ラベルと番号を付ける — CC1/CL1形式に整える
- 振り返りを書き込む — 各応答の意図と、より良い応答の代案を余白にメモ
時間を1/5にする方法と、守秘義務の注意
文字起こしツールを使えば下書き作成は数分になりますが、多くのサービスは音声をクラウドにアップロードします。実際のクライアントとの面談音声を扱う場合、守秘義務の観点からクラウド送信が許されないケースが多くあります(詳しくはカウンセリング記録と守秘義務)。
選択肢は2つです:
- 練習・ロールプレイ音声 → クラウド型ツールでも可(同意者同士のため)
- 実面談の音声 → 端末内(オンデバイス)で文字起こしが完結するツールを選ぶ
たとえば ARIA(iPhoneアプリ)は、録音・文字起こし・話者分離を端末内で処理し、音声を外部に送信しません。CC/CL形式の逐語録下書きをそのまま書き出す機能があり、手書き起こし4〜6時間の工程を「聞き直して直す」だけに短縮できます(生成されるのは下書きであり、最終的な確認・修正は人が行います)。
よくある質問
Q. 逐語録はどこまで正確に書くべき?
言い淀み・沈黙・相槌まで含めるのが原則です。それらにこそ応答のタイミングと関係性が表れるためです。
Q. 録音1時間の逐語録、手作業だと何時間?
一般に4〜6時間。タイピング速度と聞き直し回数で大きく変わります。下書きをツールで作れば1時間前後が目安です。
Q. 無料でどこまでできる?
ARIAの場合、録音・文字起こし・話者分離は無料で使えます。CC/CL形式のエクスポートはプロプラン(月額1,480円)の機能です。
ARIA — 音声を外に出さない相談記録・逐語録アプリ。App Storeで見る